長谷川 岳候補の回答

問1.アイヌは日本の先住民族であることを認めますか。

 

令和元年に施行された「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)第1条において、アイヌの人々は「日本列島北部周辺、とりわけ北海道の先住民族である」と規定されております。

 

問2.日本政府は近代以降、アイヌモシリをアイヌに断りなく一方的に奪い、アイヌの生活基盤をすべて破壊し、和人社会をつくってきました。それは「北海道旧土人保護法」に象徴される同化政策といわれます。日本政府は、国際社会の一員として、これを歴史的不正義としてとらえ、反省、謝罪、補償すべきと考えますか。

 

平成20年の衆議院・参議院本会議における「アイヌ民族を先住民族とすることを求める決議」において、「我が国が近代化する過程において、法的には等しく国民でありながらも差別され、貧窮を余儀なくされたアイヌの人々が多数に上ったという歴史的事実について、政府として厳粛に受け止めている。」旨記載されております。

政府では、アイヌの人々が先住民族であるとの認識の下、アイヌの人々に寄り添いながら、未来志向のアイヌ政策という観点から総合的な取組を着実に実施しており、これらの取組みを継続していくことが重要と考えます。

 

問3.アイヌ施策推進法第4条では、アイヌであることを理由とした差別を禁止しています。しかし、ネット上では依然としてアイヌに対するヘイトスピーチが横行するなど、実効性はありません。アイヌ差別をはじめとするあらゆる差別を禁止する実効性のある包括的法整備は必要だと考えますか。

 

政府では、差別の禁止に関する規定を基本理念として設けることにより、アイヌの人々がいわれのない差別を受けない社会を実現することの重要性に対する国民の認識を深め、以て全ての国民が相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会を目指すこととしております。

このような考えに沿って、アイヌの伝統・文化、アイヌの歴史等に関する教育活動や広報活動など、国民の理解を深まるような取組みを進めていくことが重要だと考えます。

 

問4.アイヌ施策推進法では、「先住民族の権利に関する国連宣言」が求めている先住民族の自己決定権をはじめ、土地、資源、領土に関する権利保障という先住権が全く触れられていません。例えば、儀式用のサケ採捕においてすら道の許可が必要とされたままの現状です。アイヌは上記の「国連宣言」に示された全ての先住権を保障されるべきと考えますか。

 

「先住民族の権利に関する国際連合宣言」には我が国も採択に賛成しておりますが、この宣言に法的拘束力はなく、地域ごと、国ごとの先住民族の状況が異なること等が考慮されるべきとされております。

わが国では、アイヌ施策推進法において、アイヌの方々が適切に文化伝承等を行うことができるよう、伝統的儀式に用いるサケの採捕や国有林野における林産物の採取に関する特例措置や、アイヌ政策推進交付金制度を設けているところです。

 

問5.アイヌ施策推進法の附則では、施行から5年後(2024年)の見直しに言及しています。現時点での見直しの可否と、その理由を伺います。

 

まずはアイヌ施策推進法施行の状況を検証し、見直しの要否を含めて検討をしていくことが必要と考えます。

 

問6.貴候補は選挙政策にアイヌ政策を掲げていますか。掲げていればその内容をお知らせください。

 

公約に記載はありませんが、「北海道自民党政策集2022」に、

〇「民族共生象徴空間(ウポポイ)」を核とした地域振興や観光振興の推進と、アドベンチャートラベルワールドサミット2023などの機会を活用した、アイヌ文化の積極的な国内外への発信

〇各地に広がるアイヌ文化を北海道が誇る固有の文化として伝承し共有するため、「民族共生象徴空間(ウポポイ)」と、その広域関連区域としてのアイヌの「伝統的生活空間(イオル)」の連携強化

〇アイヌ文化の振興、普及啓発や、アイヌの人々の社会的、経済的な地位の向上と生活や教育水準の向上を目的としたアイヌ政策の総合的な推進、とあります。