アイヌ政策のあり方に関する有識者懇談会

報告書(平成21年7月)

内閣官房長官河村建夫殿

 

アイヌ政策のあり方に関する有識者懇談会

 

座長/佐藤幸治

 

   安藤仁介、加藤忠、佐々木利和、高橋はるみ、常本照樹、遠山敦子、山内昌之

 

 

はじめに

 

 当懇談会は、平成20(2008)年7月、内閣官房長官から今後のアイヌ政策のあり方に関して意見をまとめるよう要請を受け、以来10回にわたり会合を重ねてきた。その間、同年秋に北海道(札幌、白老、平取、千歳)及び東京、翌年春に北海道(阿寒、白糠)で現地視察・アイヌの人々との意見交換を実施し、その後の論点整理と幅広い議論を踏まえ、今般、委員の意見を取りまとめるに至ったので報告する。

 

 アイヌ政策については、昭和49(1974)年以来、北海道による生活向上関連施策が実施されるとともに、平成7(1995)年、「ウタリ対策のあり方に関する有識者懇談会」がおよそ1年をかけ施策の基本理念や具体的施策のあり方等を取りまとめ、同懇談会報告書を提出し、これを踏まえて、平成9(1997)年、「アイヌ文化の振興並びにアイヌの伝統等に関する知識の普及及び啓発に関する法律(以下「アイヌ文化振興法」という)」が制定され、アイヌ文化振興等に関する施策が推進されてきた。

 

 このような中、平成19(2007)年9月13日に「先住民族の権利に関する国際連合宣言」が国際連合総会で採択され、国際連合における先住民族に関する議論が一定の結論を見た。さらに、平成20(2008)年6月6日、衆議院及び参議院において「アイヌ民族を先住民族とすることを求める決議」が全会一致で採択された。政府は、同決議を受け「政府としても、アイヌの人々が日本列島北部周辺、とりわけ北海道に先住し、独自の言語、宗教や文化の独自性を有する先住民族であるとの認識の下に、『先住民族の権利に関する国際連合宣言』における関連条項を参照しつつ、これまでのアイヌ政策をさらに推進し、総合的な施策の確立に取り組む」(「アイヌ民族を先住民族とすることを求める決議」に関する内閣官房長官談話)考えを示した。

 

 このような政府の考えを受け、当懇談会は、アイヌの方も委員として参画し、アイヌの歴史や先住民族としての意義、アイヌ政策の新たな理念及び具体的政策のあり方について総合的な検討を行った。

 

 

 以下は、内閣官房長官の要請を受け、約1年間の検討内容を取りまとめたものである。

 

(以下略)

 

続きはこちらからご覧ください。 

内閣府・アイヌ政策推進会議のページ http://www.kantei.go.jp/jp/singi/ainusuishin/documents.html