畠山和也候補の回答

問1.アイヌは日本の先住民族であることを認めますか。

 

認めます。北海道、樺太、千島の先住民族はアイヌです。

 

問2.日本政府は近代以降、アイヌモシリをアイヌに断りなく一方的に奪い、アイヌの生活基盤をすべて破壊し、和人社会をつくってきました。それは「北海道旧土人保護法」に象徴される同化政策といわれます。日本政府は、国際社会の一員として、これを歴史的不正義としてとらえ、反省、謝罪、補償すべきと考えますか。

 

考えます。土地や資源の収奪、固有の文化・慣習の禁止と抑圧、アイヌ民族への蔑視と文化の否定をしてきた日本政府の政策は、許されざる歴史的不正義であり、「国連宣言」を踏まえて総ざらいすべきです。海外では政府による公式の反省と謝罪、補償が進んでおり、日本でも政府の責任でかならず行うべきだと考えます。

 

問3.アイヌ施策推進法第4条では、アイヌであることを理由とした差別を禁止しています。しかし、ネット上では依然としてアイヌに対するヘイトスピーチが横行するなど、実効性はありません。アイヌ差別をはじめとするあらゆる差別を禁止する実効性のある包括的法整備は必要だと考えますか。

 

必要だと考えます。ヘイトスピーチの横行は人権侵害です。民族・人種などあらゆる差別を禁止するためのヘイトスピーチ解消法の強化など包括的な法整備を求めます。同時に、国と道によるアイヌ民族への根本的な反省と謝罪、および人権を回復させる施策の推進こそ、差別をなくす文化を発展させる何よりの土台だと考えます。

 

問4.アイヌ施策推進法では、「先住民族の権利に関する国連宣言」が求めている先住民族の自己決定権をはじめ、土地、資源、領土に関する権利保障という先住権が全く触れられていません。例えば、儀式用のサケ採捕においてすら道の許可が必要とされたままの現状です。アイヌは上記の「国連宣言」に示された全ての先住権を保障されるべきと考えますか。

 

考えます。「国連宣言」実行へ、すべての先住権を保障されるべきです。差別からの自由、自決権、土地やサケ等漁獲権など資源への権利、言語や文化への権利、雇用や就学の格差是正などを「先住権」として、順次その回復と確立策へ手立てを検討し、実行させることが必要です。

 

問5.アイヌ施策推進法の附則では、施行から5年後(2024年)の見直しに言及しています。現時点での見直しの可否と、その理由を伺います。

 

見直すべきです。日本共産党の紙智子参院議員による質問に対して、国は「国連宣言」46条のうち、同法には「差別を受けない権利」「国民の理解促進」「先住民族の文化に関する権利」の3つしか含まれていないと答えています。先住権の全面保障には程遠く、そもそも、先住権という言葉すら盛り込まれていないことは問題です。エカシ・フチの「敬老手当」制度もふくめ、生活保障、教育、雇用への拡充も必要です。差別の禁止への実効性も改善が必要です。

 

問6.貴候補は選挙政策にアイヌ政策を掲げていますか。掲げていればその内容をお知らせください。

 

日本共産党北海道委員会として、「アイヌ民族の先住権の回復を目指し、同化政策に対する公式の謝罪を行います」との内容の政策を公約として掲げています。以下、その一部を掲載します。日本共産党北海道委員会の公式HPで全文を公表しています。

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  • 国と道が歴史的不正義に正面から向き合い、公式に反省・謝罪を行います。差別をなくす法的実効性を強化します。学校教育は不当な同化政策を学ぶ内容を拡充し「ウポポイ」の展示も見直します。
  • アイヌ民族の遺骨は、国と研究機関が調査と再埋葬への支援に責任を負い、地域のアイヌ民族とのていねいな話し合いで謝罪と返還を進めます。
  • アイヌ民族の自決権を支える「検討委員会」(仮称)を、アイヌ民族主体で設置します。一方的に奪われた土地や資源についての調査や解決方法の検討に着手します。
  • 河川でのサケ漁獲権の否定を改め、まずは「許可制」から「届出制」に転換します。
  • エカシ、フチに対する「敬老手当」を国と道の責任でつくります。「給付奨学金」「就業支援」で生活困窮からの改善を進めます。
  • アイヌ語を学ぶ権利や文化伝承の権利を確立します。
  • 2年後に迫ったアイヌ施策推進法の見直しをするため、開かれた検討をただちにはじめ、国際標準の先住権を確立させる内容への抜本的な改定を目指します。